「After Hour Session」はエグゼクティブコーチ株式会社が運営するポッドキャスト番組。
当社従業員がメインパーソナリティを務め、様々なゲストとともに「経営やコーチングの今」をお届けしています。
このブログでは、番組の内容をわかりやすい記事にして紹介します。
第12回は「大規模のコーチングプロジェクト」です。
サマリー
・研修やりっぱなし問題に終止符を打つべく、個別最適の伴走コーチングが始動
・1,000名規模のコーチングを「ただやる」だけで終わらせないための工夫
・正解のない問題に悩むからこそ、これからもオーダーメイドの支援を強化していきたい
それでは本編をお楽しみください。
井上:本日はエグゼクティブコーチ社代表の出口さんをゲストに、大規模なコーチングプロジェクトについてのお話を伺います。まずは簡単にプロジェクトの概要を教えてください。
出口:従来であれば1対複数で集合型の研修を行うところを、一人ひとりにコーチが伴走する形で一定期間をかけて意識や行動変容を支援するプロジェクトを行っています。人数規模は1,000名を超えてきています。
井上:1,000名!すごく多いですね。
出口:過去にない規模感かなと思っています。「研修のやりっぱなし」というずっと言われている問題に終止符を打つには、学んだことをしっかりと職場での実践に繋げることが必要です。その手法としては個別最適なコーチングが効果的だろうと考えています。
井上:そもそもこのプロジェクトはどんな経緯で支援が始まったのですか?
出口:最初はここまで大きい話ではありませんでした。ある営業担当が、当社が作成しているプロフェッショナルマネジメント動画をお客様にご案内したことがきっかけでした。動画自体は検討いただけなかったのですが、お客様から別のお話を伺ったんです。
研修のコンテンツはこれまでも磨き続けてデリバリーをしてきたものの「現場がなかなか変わらないので個別最適のコーチングを導入したい」ということでした。個別の支援をしていくという方針自体はお客様の中で固まっていて、そこから複数社の検討を経て当社がご支援の機会をいただくことになりました。
井上:動画のご案内をきっかけに課題についてお伺いする中で、伴走型のコーチングはどうかと逆にお客様からお声がけいただいたような形ですか?
出口:そうですね。先方の中では明確に個別最適化した支援の手法を探していらっしゃったので、その規模感に耐え得るデリバリー能力があるかどうかがポイントになりました。
出口:単純にプロコーチを一人ひとりにつけて伴走すれば万事OKか?というとそうではなくて、組織や人の問題に対して誰にどんなインプットをすべきなのかを見極める必要があります。人数が多くなれば全員同じ温度感とはなりませんので、特に火をつけるべき人は誰か?その火を消さないようにするにはどうするか?を考えないといけません。
色々な観点から、プロジェクトの効率や効果の最大化について何ヶ月もかけて議論をしました。
井上:なるほど。1,000名規模というのはエグゼクティブコーチ社の中でも初めてだったということですが、プログラムの設計ではどんなところに苦労しましたか?
出口:プロコーチをつけて「コーチの皆さん、あとはよろしくお願いします」では成立しませんので、狙っているゴールイメージに対してどう効果を出していくかに色々と頭を使いました。
企業には風土やカルチャーがそれぞれにありますし、人材に対するポリシーや考え方もすでにあります。なのでロジックや理想論だけで整理できないことも多く、折り合いのつけ方を何週間も議論したこともありました。
一定の着地点は見つけて進めてきていますが、それが最善だとも思っていませんので、現在もお客様と一緒に次の次元をどう目指すかを考えているところです。
井上:コーチングをした後に取り組みの成果をお客様とお話されることもあると思いますが、どんな風に説明をしているのですか?
出口:コーチングの成果をどう表現するかについては、色々と議論をした結果いたってシンプルな内容に落ち着きました。最近はAIなどを活用してレポートを作成する会社もありますが、私どもはまだ発展途上でアナログな部分も残しています。
本来であれば客観性を担保するためにコーチング対象者の方の上司・同僚・部下といったステークホルダーの方々を巻き込んでビフォーアフターを具体化するのですが、規模が大きいので1人ひとりにそれを行うのは現実的ではありませんでした。
井上:うんうん。
出口:なので最終的には主観評価に頼らざるを得なかったものの、その中でも何を評価するかをシンプルに絞り込みました。事前に対象とする行動を決めて、意識度(その行動を実践していく準備が整っているか?)と実践度(実際にできているか?)でビフォーアフターを検証したんです。
意識しているかどうか?できているかどうか?というのは周りから見たら評価が異なるかもしれませんが、まずは本人の主観の中での変化度合いを定量化して可視化しました。規模の大きいプロジェクトでしたが、狙った行動に対してのスコアは全て改善が見られました。
井上:コーチングのセッションが終わった後に、意識度と実践度がどう変わったかをクライアント様に評価していただいているんですね。
出口:そうです。成果をどう可視化するか?というのは人材開発・組織開発の分野では永遠の課題だなと思います。各社さんで色々なディスカッションがされていると思いますが、私たち自身も精度高く取り組むべきだと考えています。手法の話というよりは、本質的な考え方の部分をお客様も交えながら議論を継続しているというのが現状です。
井上:私は人事なので、経営層から「研修の成果どうだった?」「評価制度を変えて結果はどう?」などと聞かれると返答に困ることがあります。
出口:難しいですよね。業績に直接影響する因子を私達がコントロールできるわけではなく、戦略からの逆算で定めた期待や責任を職場で実践できているか?という間接的な支援にはなってしまいます。
エンゲージメントサーベイや360度評価などの指標とも突き合わせながら連動性を見ていくことも大事でしょうし、唯一の正解があるわけではないので各社さんの思いやスタンスに合わせたオーダーメイドのご支援をしていきたいなと思っています。
井上:本日も最後までお聴きいただきありがとうございました。
次回も少し肩の力を抜いてお付き合いください。
番組はご利用のポッドキャストサービスでお聴きいただけます。
▼Spotify
https://open.spotify.com/show/3Byrb0J2xHznAiDcDUZPwb?si=49dc9cc83eeb42c8
▼Apple Podcasts
https://podcasts.apple.com/us/podcast/after-hour-session/id1860251527