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戦略実行の断絶を乗り越える!外資系企業経験者が語る「リーダーのあり方」

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「After Hour Session」はエグゼクティブコーチ株式会社が運営するポッドキャスト番組。
当社従業員がメインパーソナリティを務め、様々なゲストとともに「経営やコーチングの今」をお届けしています。

このブログでは、番組の内容をわかりやすい記事にして紹介します。
第19回は
コーチが語る戦略実行に必要なもの(パートナーコーチ桜庭さん)前編です。

サマリー
・外資系企業ならではの本社とローカル支社との関係性を例に、戦略実行の落とし穴を解説
・スキルの有無ではなく、対話とオーナーシップが成功するチームに必須の要素
・安心してリーダーが動くためには、社内外からのコーチングが有効

それでは本編をお楽しみください。

外資系企業ほど難易度が上がる、戦略の現場浸透

井上:今回はエグゼクティブコーチ社アカウントマネジメント部の木村さんと、スペシャルゲストとしてパートナーコーチの桜庭さんをお迎えしています。

 

木村・桜庭:よろしくお願いします。

 

井上:まず最初に私から桜庭さんのご紹介をさせていただきます。

外資系金融企業での営業・企画推進を経て人事へキャリアチェンジをされました。その後、複数の外資系企業において、多国籍な職場環境での人事責任者や執行役員として戦略的人事を担当。2020年にはCoaching Leaders Japan合同会社を創設し代表に就任されています。

2023年には一般社団法人日本オントロジカルコーチング協会を創設し代表理事に就任、加えて株式会社メドレーの社外取締役もされていらっしゃいます。2025年よりエグゼクティブコーチ社のパートナーコーチとして、企業へのコーチングご支援を共にしていただいています。

本日はエグゼクティブコーチ社で推進している企業の戦略実行人財創出支援について、桜庭さんにお話を伺います。日本企業においては戦略実行人財の不足が色々なところで叫ばれていますが、外資系企業にお勤めされていた経験や各社への支援をする中で、桜庭さんとしては戦略と実行の結びつきについてどのように感じていますか?

 

桜庭:特に外資系企業の場合、国外にある本社からトップダウンで戦略の方向性が降りてきます。日系の企業でもトップダウンはあると思いますが、言葉や文化の壁に加えて地理的な距離もある点で外資系企業の方が「降りてくる」という感覚が強いかなと思います。

降りてきた戦略をローカルの実情や文脈に引き寄せて翻訳する部分でミドルマネージャー層には相当なプレッシャーがかかるなと個人的には感じますし、お客様とお話ししている中でもかなりの断絶が起きている実態があります。この辺りはすごくモヤッとしますね。

これはスキルの問題ではないと思っています。皆さんが一番ジレンマを感じているのは、上から降りてきた(=自分が作ったわけではない)ものをどう自分に引き寄せて、熱を持って自分の部下に話せるようになるかの部分です。

戦略を実行する力がないというよりは、オーナーシップを持って動くことがちゃんと周りに評価されるのか?を不安に感じていたり、自分の言葉で伝えられるかどうかや部下が言うことを聞いてくれるか?といった関係性の質なども色々と絡み合った問題なんです。

そして結果的に戦略が現場に届かないまま空回りしているように私には見えています。

必要なのはスキルではなく「対話」と「オーナーシップ」

井上:確かに外資系企業となると、本社からローカルに降ろすプロセスが長そうですね。ローカルの経営層の方々の中では、本国から降りてきた戦略をどう翻訳しているのですか?何か各社で共通しているものがあれば教えてください。

 

桜庭:外資系企業では、ボトムアップとトップダウンの時間軸を合わせる工夫をしているケースが多いです。

私が一番最初に外資系企業にお世話になったのはもう20年くらい前のことで、その当時はボトムアップではあまり話を聞いてもらえませんでした。今は外資系企業もだいぶ進化してきていて、ローカルの商習慣やお客様の実情をボトムアップで把握しないことには戦略が上滑りしてしまうことを過去の失敗から学んでいます。

ローカルマーケットの実態を理解したうえで予算も含めてボトムの声をトップに届けてから、会社全体の采配の中で各国の要請が通るか通らないかが決まっていきます。プライオリティをグローバルレベルで決めた状態で改めてローカルに降りてくるというステップです。

人間というのは勝手な生き物ですから、頭では全部は通らないと分かっていても心の中では「通って欲しい」と期待を抱いてしまいます。そして想像以上の乖離を感じると抵抗感を抱くわけです。なので、ローカルに戦略を戻す段階で最後のステップとして重要なのが対話です。

 

井上:うんうん。

 

桜庭:グローバルから日本の社長へ、そしてその下の方々へとだんだん降りていくのですが、どんなメッセージングで降ろしていくのかをピープルマネジメントを担う管理職の方々同士でしっかりと対話をすることが大切です。

こうした対話の時間を取れるかどうかが、成功するチームと成功しないチームの境目だなと感じています。

 

井上:ローカルのことはローカルの方々が一番知っているのでボトムアップで状況を伝えるものの、それでも軋轢やすれ違いが生じる部分には対話を通してお互いを理解してそれを広めていくことが必要なんですね。ここまでのお話について、木村さんはどう思われますか?

 

木村:興味深いですね。トップダウンからどう話が降りてくるかの他にも、受け止め側のマインドも大きく影響するのではないかなと思いました。

外資系企業の従業員の方は自立したキャリア意識をお持ちの方が多そうだなと思うのですが、そうした前提があると戦略を自分事として捉える文化が強いだろうなと感じています。一方でグローバル企業の日本支社を含む日本企業の場合は、海外の会社と比べると戦略を自分事に引き寄せる意識はそんなに高くないと思います。

このあたりも課題になっていそうだなと感じたのですが、桜庭さんはどう考えていますか?

 

桜庭:「戦略を自分に引き寄せる」ことができているかどうかが、リーダーとして戦略を自分のチームに活かせるか活かせないかに効いてくると思います。

これは日系・外資系を問わず、リーダーが戦略を頭で理解しているだけなのか?ちゃんと体で引き受けているのか?というのはチームには伝わってしまうものなんです。「この人上滑っているな」「文字面は理解しているけれど腹落ちしていなそうだな」となると、全身全霊でリードしてくれるリーダーよりは信頼度が落ちます。

戦略実行における最大の標的は、多分スキルじゃなくてその人の「存在のあり方」なのだと思います。どんなに優れた戦略であっても、それを実行するリーダーが「自分にはできる」と存在感を発揮していないことにはチームが動きません。

私たちのようなコーチはリーダーの内側の変化に伴走する唯一の専門家ですので、そう言った意味では戦略実行力を引き上げるお手伝いができているのではないかと感じています。

社内コーチと社外コーチ、それぞれの良さ

木村:特に日本で働いていると、自分なりのリーダー像を出した時にそれが受け入れられるかどうかに不安を感じることもある気がします。この部分もやはり日系企業と外資系企業とで組織風土が違ったりするのでしょうか?

 

桜庭:オーナーシップを持って動くことが評価されないカルチャーの中だと、自分の色を出していくのは非常に勇気がいることですよね。組織にフィットしないかもしれないという不安や恐れが生まれてしまうと、あるべきリーダーの姿を体現したくともできないというジレンマに陥りやすいと思います。

ですので企業においてはリーダーにコーチをつけるだけではなくて、オーナーシップを持って動くことが推奨されるようなカルチャーや組織の開発にも併せて取り組むことが必須だと考えています。

 

木村:個々人のマインドの変化と、それを組織としてどう受け止めて活かしていくのかの両軸が必要なんですね。

 

井上:桜庭さんの考えるコーチが支援する意義としては、やはりミドルマネージャーがあるべき姿になれるという部分が大きいですか?

 

桜庭:そうですね。HRビジネスパートナーの方や上司の方といった社内でコーチングができるリソースを増やしていくことも大変有効ですが、社内の人たちというのは同じ組織という「スープ」にどっぷり浸かっているので、良し悪しがあるんです。

同じ「スープ」に浸かっているので共感も同調もできますし、励ましてあげたいという愛情も湧いてきます。こうした仲間としての良さはありますが、同時に盲点も生まれやすいと思います。

ひょっとしたら別の考え方があるんじゃないか?この狭い世界の中ではそうかもしれないけれど、別のところに行ったらそれは正なのか?といったことを、少し距離感があって何を言ってもジャッジされない相手と一緒に考えられるようになることが社外のリソースを使っていただくことの一番の醍醐味だと思います。

 

井上:木村さん、すごく頷いていますね。

 

木村:私自身が事業会社内の人事として人材育成をしてきた経験があり、今は会社の外からご支援をさせていただいている立場なのですごく共感しました。

 

井上:社内の仲間だからこそ分かる文脈もある一方で、思考や視野が凝り固まってしまう部分があるんですよね。そこに対して外部コーチが客観的な目線で問いを投げかけたり、批判や非難をされない安全な環境で内省したり視野を広げられるように伴走していくことに価値があるんだなと感じました。

今回は以上となりますが、次回も木村さんと桜庭さんにお越しいただいて実際のコーチングセッションの現場で何が起きているのかについてお話を伺います。

 

本日も最後までお聴きいただきありがとうございました。
次回も少し肩の力を抜いてお付き合いください。

 



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