「After Hour Session」はエグゼクティブコーチ株式会社が運営するポッドキャスト番組。
当社従業員がメインパーソナリティを務め、様々なゲストとともに「経営やコーチングの今」をお届けしています。
このブログでは、番組の内容をわかりやすい記事にして紹介します。
第16回は「コーチが語る戦略実行に必要なもの(パートナーコーチ荒賀さん)前編」です。
サマリー
・戦略実行が停滞する大きな要因は、マネジメント職の「問題の抱え込み」
・多忙さや目まぐるしく変わる環境への対応は、1人ではなく「一緒に」考えることが重要
・各階層間の双方向コミュニケーションやAI活用等での業務負荷軽減が求められる
それでは本編をお楽しみください。
井上:今回はエグゼクティブコーチ社代表の出口さんに加え、スペシャルゲストとしてパートナーコーチの荒賀さんをお迎えしております。
荒賀・出口:よろしくお願いします。
井上:荒賀さんは広告代理店でアカウントマネジメント・経営企画・海外事業など複数領域での業務をご経験された後、MBAを取得されています。
多岐にわたる業界を対象にしたエグゼクティブコーチングプロジェクトの主導や、事業会社での組織開発や次世代リーダーの育成開発の推進に携わってこられた経験を元に、現在はエグゼクティブコーチ社のパートナーコーチとして活動をしてくださっています。
そんな荒賀さんに、本日は「実行支援」というテーマでお話を伺います。昨今の日本では、戦略の実行がなかなかされずに戦略が絵に描いた餅で終わってしまうと嘆いている企業が多く存在します。
私たちもそのような企業様からのご相談をいただくシーンが多いのですが、荒賀さんとしては実行段階でブレーキがかかってしまう要因や共通する課題点など、何か感じていらっしゃることはありますか?
荒賀:私自身もマネジメント職なので、色々なことに関与していかないといけないため忙しくしております。コーチングセッションを通して様々な企業のマネジメント職の皆さんとお話する中でも、会社の戦略は理解しているしそれを現場に落とし込みたいものの、目の前の課題に対応することで手いっぱいだという実情を常々感じます。
結果的に戦略実行には時間がかかってしまっていると思いますし、あるいは「一体何から手をつけたらいいのか?」と悩んでいらっしゃるケースも多いです。戦略実行を「自分だけで考えなくてはいけない」というような思考になりがちなのが皆さんの共通点じゃないかなと思っています。
井上:出口さんも色々な企業様とお話されていると思いますが、どう思いますか?
出口:非常に共感しますし、まるで自分のことを言われてるようにすら感じました。戦略実行というのは個人の話でもありつつ、周りのステークホルダーの方々と見る景色を合わせていくような、認識のすり合わせが重要ですよね。
一つひとつ何をやるかということもそうですし、優先順位もそうです。そして厄介なのが、これが常に変わり続けるということです。ここがどんどん難しくなっていく部分なのかなと荒賀さんの話を聞きながら思いました。
井上:視聴者の方々も、共感されたりドキッとしながら聴いてくださっているかもしれませんね。
井上:企業の戦略実行力を引き上げるための支援を当社では行っていますが、戦略実行についてのお悩みをコーチが支援する意義について荒賀さんはどう考えていますか?
荒賀:自分だけで考えてしまいがちな部分に対して、「共に考えませんか?」「一緒に考えませんか?」というスタンスで伴走することがコーチが支援することの大きな意義だと思っています。
マネジメント職の皆さんは、現場の状況に合わせて戦略を翻訳していますよね。そして時間が経てば戦略も少しずつ変わるので、それをまた翻訳し直してメンバーに伝え、動かしていくことが求められます。このときに、「全体としての行動プロセスがどうあるべきなのか?」ということも考えなくてはいけません。
戦略は一つではないので、いくつも走ります。それを今の活動の中でどう擦り合わせていくのかがすごく大事になっていきます。
コーチングのセッションの中では「戦略をどう理解しているのか」という言語化が最初に必要で、その後に「(理解した戦略を)どうメンバーと一緒に目標を立ててアクションに移していくのか」を段階的に考えていきます。
この行動のプロセス作りをお手伝いしているのがコーチであり、コーチが伴走することでマネジメントの実行に対するハードルを下げ、さらにはモチベーションを上げるという形で貢献できているんじゃないかなと思います。
出口:戦略の理解・翻訳という点で荒賀さんの意見を伺いたいのですが、取締役・部長・課長といったレイヤーを横断して数珠繋ぎのように情報のギャップが生まれる可能性についてどう思いますか?
例えば課長の方々にコーチングで伴走するとして、課長本人の戦略理解の深さ以外に巻き込み先として部長も戦略を言語化できていないといけませんよね。仮に経営陣が戦略を変更した場合に、その背景情報をキャッチアップできているかなども重要になるかなと思うのですが。
荒賀:あるあるですね。そういうこともコーチングのセッションの中でのテーマに出てきます。
上位概念の方からの話をを必死に理解しようとする手前で「上位の幹部の方たちはどう理解されているんですかね?」というのを課長や部長に聞くと、「それは聞いたことがなかったです」という回答が返ってくることがよくあります。
伴走して一緒に考えることがコーチの意義ですが、一緒に考える相手はコーチだけではなく上位の幹部の方でもあるということはセッションの中でもお話をしています。
違いの考え方を伝え合うことで、「そう考えていたんだ」「そう受け取っていたんだ」と違いに気付きにもなります。幹部の方が伝え方を変えなくてはいけない場合もありますし、縦のコミュニケーションがきちんとできているかもポイントですよね。
出口:結果として情報連携がうまくいっていない状況というのは、どこに一番のボトルネックがあるのでしょうか?唯一の解があるわけではないでしょうけど、重要かなと思っています。
荒賀:難しいですね。昨今は物事が変わっていくスピードが早いですし、ビジネスの環境チェンジもすごく早いので管理職やマネジメント職が取り組まなければいけないことの量は増えていると思います。
出口:管理職の負荷が大きすぎるということですかね?
荒賀:そうですね。最近はコーチングさせていただく皆さんとのお話しの中で「AIってどう使えるんですかね?」とよく話題に上がります。
現場作業を自分で抱えるのではなく、AIにも力を借りながらうまく処理していくプロセスを考えている方が多いですし、AIは全員が使うものですが特にマネジメント職の皆さんが使う有効性は大きいのではないかと感じています。業務量の逼迫は、コミュニケーションロスを生む要因の1つになっているだろうなと思います。
出口:各社さんの支援をする中で、そういった教科書的でない現場感をしっかりと理解した上で対応していかないとお客さんとの対話がちぐはぐになりそうですね。改めて気をつけようと思いました。
荒賀:今日のお話はあくまで私の仮説でもありますが、力を借りる相手というのは色々な考え方があるだろうなとは思います。
井上:役職に就かれている方ほど色々なものを抱え込んでいる状態だと思うので、それを配下のメンバーに渡していくのも良いですし、AI活用で余白が生まれるのであればそれもいいですよね。
そうした使い分けについてもコーチングの中で気付いていただければ、仕事がすごくスムーズに進むのかなというイメージが湧きました。ただ、実際にやっていくには様々な障壁もありますよね。
荒賀:そうですね、試行錯誤だと思います。
井上:エグゼクティブコーチ社では「戦略を行動に宿らせる」をミッションに企業様への実行支援を行っていますが、当社については荒賀さんからはどう見えていますか?
荒賀:「戦略実行人財を育成する」というのは、すごく定義がシャープだなという印象を持っています。
コーチングというのはふわっとした概念で捉えられやすく、「成果は何なんだ?」と受け取られてしまいがちですよね。そのような中でも「戦略実行人財を育てる」というのは端的でわかりやすい表現だなと感じています。
出口:ありがとうございます。コンセプト倒れにならないように我々も日々ブラッシュアップを続けていますし、荒賀さんにも色々とフィードバックをいただきながら精度を上げていきたいなと思います。
荒賀:皆さんが考えていらっしゃることをパートナーコーチたちがきちんと理解できているのかなど、ここでも双方向のコミュニケーションがきっと必要ですよね。
出口:言葉としてシンプルでわかりやすいのはメリットでもありますが、解釈の余白が多分に含まれるのでそこは意識合わせが必要ですよね。先ほどの話でも出た通り、目線合わせのコミュニケーションは私たち自身にも必要だなと改めて思いました。
井上:今回はここまでとなりますが、次回もパートナーコーチの荒賀さんをお迎えして実際のコーチング現場でのお話などを伺っていきます。
荒賀さん、出口さん、本日はありがとうございました。
荒賀・出口:ありがとうございました。
井上:本日も最後までお聴きいただきありがとうございました。
次回も少し肩の力を抜いてお付き合いください。
番組はご利用のポッドキャストサービスでお聴きいただけます。
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